由梨はその足音が義母房江の足音だと思ったのであった。思わず氷着いた由梨であったが、部屋のフスマをノックして入ってきたのは、最年少で、由梨に着いている使用人の北沢留美であった。留美はフスマをノックして、
「若奥様、若奥様、起きる時間です。起きて下さい。」
と廊下から声を掛けてくるのであった。由梨はどうしようかと思ったのであった。取り敢えず、最低の状況にはならないと思ったのであったが、気分的には落ち着かないのであった。どうにかしなくてはと由梨は思ったのであった。それに、返事も出来ないし、留美にもオネショの事を知られる訳にはいかないと思ったのであったが、どうしようも誤魔化しようがないのも事実なのであった。
「若奥様、起きる時間です。起きて下さい。起きて下さらないのなら、お部屋に入らせて頂きます。」
と留美が言っていても返事をすることが出来なかったのであった。どうしようと考えても名案は浮かばないのであった。それに、オネショの事がバレるのが怖くて仕方が無かったのであった。由梨は物心着いた時からオネショの記憶がない、夜中に強い尿意で目覚めてトイレに駆け込む事はあるのだが、オネショをしたことは、幼稚園の頃から記憶が無い普通の生活をしてきている。だが、25歳になった今、現実となっているのだ、だから、どうしようと思ったのであった。返事も出来ずにいると、留美が、
「若奥様、お部屋に入らせて頂きます。」
と言われて、入り口のフスマを開けられたのであった。そして、最初は起きている由梨を見て、
「起きていらっしゃるなら…。」
とここで言葉を失ったのであった。留美の目に飛び込んで来たのは由梨が着ているネグリジェから下着までビショビショに濡れていて、そして布団もビショビショに濡れているのである。それを見ただけでオネショの後であることが分かるのであった。だが、オネショをしたのは、子供ではない、既に成人していて、留美よりも年上の由梨であるのだ。留美は言葉を失ったが、それでも、
「若奥様、もしかしてオ、オネショを。」
と留美に声を掛けられて、
「イヤッ、言わないで。」
「で、でも、若奥様、これは、」
「…。」
と由梨は話せなかった。何かを話さなくては成らないのに、言葉が出て来ないのである。言葉が出ない変わりに目頭が熱くなり、涙が零れ落ちたのであった。それでも、由梨は、
「留美ちゃん。何とか誤魔化せないかしら。」
と由梨が言うと留美は、
「若奥様、それは無理と言う物ですよ。私が若奥様の失態を黙っていれば、今度は奥様に叱られるばかりではなく、お仕置きも受けなくてはなりません。そんな事私には出来ません。」
「でも、お願い、何とかお母様には黙っていて頂けないかしら、何でもするから。」
「でも、でも…。」
と今度は留美の方が考えてしまったのであった。留美からすれば、今の生活に満足しているわけではない、しかし、ここは若奥様である由梨に何とか取り入って自分の立場を有利にする事が出来るのではないかと考えたのであった。そこで、
「それでしたら、お小遣いを頂けないでしょうか。」
と言われて由梨はホッとしたのであった。オネショは精神的な物か、疲れから来ているハズと考えていた。今日は失敗してしまったけど、もうしないはずと考えていたからである。だから、留美の言葉に由梨は、
「分かったわ。今は渡せないけど、午後になれば渡すことが出来ると思うからそれでいい。」
というと、留美は納得してくれたのであった。
納得すると留美は着替えと、濡れタオルを持ってきてくれて、その間に由梨は着ているものを全て脱ぐと、留美が濡れタオルでオネショで汚れた所を拭いて貰い、その上で、新しい下着を着たのであった。そして、何時もの服を着たのであった。布団は、他の干すところが無いので、由梨の部屋に干すことにし、留美は洗濯担当なので何とか誤魔化しが着くと言われたのであった。何時もよりも、遅い起床となったのであったが、オネショが義母房江に発覚するよりもマシと考えたのであった。そして、食卓に着くと、房江が、
「由梨さん。藤沢家の嫁がこんなに寝坊では困りますよ。もっとしっかりして下さい。」
と嫌味を言われたのであったが、由梨はオネショがばれるよりもよっぽどマシと考えていたのであった。
由梨の部屋は日当たりが良い部屋であった。藤沢家の大事な跡取り息子の部屋である。一番日当たりが良い部屋があてがわれている。由梨はその妻であるだから、藤沢家の長羅の久彦の部屋に住むことが出来るのであった。だから、布団は日没までには簡単に乾いていたから安心したのであった。由梨は寝床に入る時、今朝の事は単なる間違いであって2日も続くハズが無いと思っていたのであった。その上、留美は由梨の使用人である。正確には久彦夫婦の使用人なのであるが、今夫である久彦がいないから、由梨専属になっているのであった。その留美は、由梨の為にオネショをした布団ではなく、別の布団を用意してくれたのであった。その為オネショの影響でオシッコの匂いが無いのであった。だから、安心して寝床に着く事が出来たのであった。匂いもないし、家の家事をやらされてクタクタに疲れていたのも事実なのであった。その為、寝床に入るとぐっすりと寝入ってしまったのであった。
Author:友ちゃん
友ちゃんが演出する、オムツの怪しい世界へ誘います。